小さな花たち

旅先や日々の生活で見過ごされそうなひとときを、思いのままに綴ります

「東京」という場所

上の写真は、どこかのサイトから取ってきたイメージ写真のように見えるが、実際に私が東京に向かうバスの車窓から撮影したものである。東京駅近くの道を、颯爽と自転車で駆け抜けて職場に向かう女性。その光景を見ただけで体中にパワーがみなぎる感じがして、よし、今日も東京で頑張るぞ、という気分になった。

東京から地方に移住した人が言っていたことが印象に残っている。「今は東京に遊びに行くのが楽しい」。当時、東京に住んでいた私には、いまひとつピンとこなかった。確かに、東京は刺激が多く、また、趣が異なる場所が小さいエリアに集まっていて、飽きることがないし、好きなところだった。しかし、混雑した電車や人混みの多いお店や通りなどに頻繁に遭遇するとうんざりして、どこか遠くに逃げ出したくなった。東京で昼夜を問わず働いていた頃は、2カ月に1回くらいは、半日休暇をとって、都内の日本庭園でしっかり「呼吸」することを心がけていたぐらいだ。

そんな私がひょんなことから、首都圏を離れることになり、歩いて行かれる距離に湖があるような場所に住んでいる。東京までは、バスで2時間の旅。川→木→高層ビルの順で景色が変わっていく。高層ビル群が見えてくると、東京に近づいてきたな、と感じ、身体のスイッチがONになる。上の写真はまさに、今の自分にとっての東京のイメージ写真である。前向きに生き生きと、活動的になれる場所が東京だ。

帰りは逆に、高層ビル→木→川の順で景色が移っていく。利根川にかかる夕日が見えると、身体のスイッチはOFFになる。高層ビル群と川にかかる夕日。全く異なる景色を1日のうちに見られるのはぜいたくだと最近、思う。違うところに移ると、これまで自分がいた場所の良さや違った側面が見えてくる。たとえ仕事で東京に行くにしても、今の私にとっては、楽しいことだ。まさに、「東京に遊びに行くのが楽しい」と同じ感覚で、わくわくすることなのである。