小さな花たち

旅先や日々の生活で見過ごされそうなひとときを、思いのままに綴ります

当たり前のように、今、そこにあるもの

早朝に空を見上げたら、西の空に、昨夜のスーパーブルームーンを見つけた。夜、月を見るのはもちろん好きなのだが、朝、まだそこに残っている月を見るのもまた、とてもいい。

子供の頃、「まんげつのよるまでまちなさい」という絵本が好きだった。ストーリーそのものよりも、大きな満月の下で動物たちが楽しい時間を過ごす様子を描いた、最終ページのイラストが大好きだったのだ。ずっと眺められていて、大人になってからもしばらく手放さなかった絵本だった。満月の夜、ムーンストーンのネックレスに月の光を当てて、それをお守り代わりに、一人旅に着けていったりもしていたな。

満月の日の前日の月と、満月とを肉眼で見分けられるほど、月を見るのはなかば習慣になってしまっているのだが、今朝は、月が朝日で徐々に薄まっていき、太陽にバトンタッチするときを見て、ふと思った。夜には月が出て、朝になると、太陽が昇る。それが当たり前のように、日々過ごしているが、世界には、夜になっても太陽が沈まなかったり、朝になっても太陽が昇らないことがあるところもある。あるいは、自然の現象ではなく、ある日突然、戦争が始まり、防空壕での生活を余儀なくされれば、太陽も月もない。太陽が昇ろうが月が出ようが、関係なくなってしまう…。

今、当たり前のように享受できていること、当たり前のようにそこにあるもの。忙しく日々を送ることが多いけれど、そういったことに、丁寧に向き合っていきたいな、と思った朝でした。