駐車場に車を停めて、真っ暗な道をしばらく行くと、突然、まばゆいばかりの光に包まれた小さな「町」が出現する。幅の狭い川の両岸に隙間なく旅館やカフェ、バーなどが立ち並び、多くの窓からオレンジ色の灯りが溢れている。西洋風の古い建物だが、どこか懐かしく、またモダンな雰囲気。
両岸は、いくつかの小さな橋でつながれ、行ったり来たりすることができる。窓からあふれる光とは対照的に、橋の上や建物の前の小道は少し薄暗く、ガス灯や足元を照らす小さな灯りが点在し、それがまたとてもいい。この小道を歩いていくと、窓越しに店内が見え、川の流れの音に交じって、食事時の食器の音や楽しそうな笑い声、バーからはジャズの音楽まで聞こえてくる。
昼間に来たら、きっと雰囲気は違うのだろう。しかし、やっぱりおすすめは、夜だ。特に冬の夜。寒いときに、暖かく照らされたその「町」は、宿に泊まらずただ散策するだけでも心が満たされる、非現実的な空間なのだ。